【肉道大百科】和歌山県・湯川さんがさばく
「紀州シカ」特集
ジビエへの先入観が変わる逸品!
ジビエの味わいは、捌き方で決まります。ジビエ猟においては紀州一の匠と謳われる湯川さんがさばくシカ肉は、臭み、クセがなくクリアな香りの立つ逸品。天然もののため、薬剤が使用してある心配もなく、安心して召し上がって頂けます。
湯川さんの「紀州シカ」は普通のシカとここが違う!
湯川さんの「紀州シカ」と、普通のシカの違いは以下の通りです。
普通のシカ
- 捌きの腕や捕獲後の時間経過によって臭みが出る
- 秋など限られた時期しか食べられない
- 肉質が固く、香りが立たない
湯川さんの「紀州シカ」
- 紀州一の匠が自ら狩猟して迅速に捌くので臭みがなく柔らかい
- 時期に適した性別の個体を狩るため、一般的なシーズンでなくても上質なものを提供可能
- 手早い処理と動物の個体に適した捌き方で、やわらかくシカ本来の香りが立ち上る
シカ本来のクリアな旨味
湯川さんの「紀州シカ肉」のおいしさの特徴
1クセなく上質な香り
一般的にジビエは「臭くてクセがある」というイメージを抱かれがちです。
「紀州一の名人」湯川さんが匠の技でさばいたシカ肉は、クセも臭みもなく、シカ本来の上品な香りのみをクリアに味わえます。
淡白になりすぎず、「シカの個性を感じたいけど、クセが強いものは食べられない」という方におすすめです。
2赤身多めでシカ肉の美点が堪能できる
湯川さんの「紀州シカ」は最小限の脂身があるほかは赤身がちのお肉です。そのためお肉の風味は強く出ますが、鮮度第一に下処理をしているためクセはなく、シカ肉特有の香りと甘めのスパイスのような風味を存分に感じて頂けます。
鮮度、味わいともに優れた「紀州シカ」だからこそ、赤身の風味の濃さが美点として引き立つのです。
3柔らかな肉質で食べやすい
「紀州シカ」は肉質が良く、やわらかです。シカ肉をはじめとするジビエは野山をかけまわる動物であるためお肉が固くなりがちですが、「紀州シカ」のやわらかさはそのような先入観をすっかり変えてしまうでしょう。
湯川さんの「紀州シカ肉」のおいしさの理由・こだわり
1紀州一の匠が、捕獲から捌きまで
自分で行う!
湯川さんは捕獲してから加工までを、別の業者に回すことなく一人で行っています。なお、かかる時間はわずか30分。非常に優秀なハンターでさえ1~2時間かかるなかで、この速さこそは紀州の匠と呼ばれる所以の一つと言えるでしょう。
迅速に処理を終え、新鮮なまま出荷するため保存のための添加物を加える必要がないので、ぱさつきや雑味のないシカ本来のおいしさをお届けすることができます。
2夏は雄、冬は雌を狩ることで、シーズン外でも質の良いシカ肉が提供できる
一般的に、ジビエのシーズンは秋から冬です。しかし、湯川さんはその時期ごとに最も適した性別の個体を狩ることで、シーズン外でも上質なシカ肉を提供しています。
夏には発情期に備えて脂がのって来る雄を、冬には出産のために豊富な栄養を摂っている雌を狩るというように、シカの生態をしっかりと把握しているため、長い期間での味の良いジビエの提供が叶うのです。
3狩場近くの清潔な処理場で
迅速にさばく
湯川さんがシカをさばいているのは、狩場にほど近い、和歌山県独自の「和歌山ジビエ処理施設認証制度」で認証を受けている衛生管理が徹底された施設です。
処理施設が狩場の近くにあることでより迅速な処理が叶い、また認証を受けられるほど清潔で衛生的なので菌が付着する心配のないことが、ジビエを安心安全に新鮮なまま出荷出来る秘訣です。
生産者に一問一答!こだわりを聞いてみた
湯川俊之さんに聞きました!
和歌山県内随一の技術を持つと評される、ジビエ猟・捌きの職人さんです。同県田辺市日向地区のジビエ振興に尽力されています。
- 湯川さんがさばいたシカ肉にはなぜ臭みがないのですか?
-
スピーディーにかつ丁寧に血抜きをし、新鮮なまま冷蔵するのでシカ肉本来の味わいを保っているからです。
また、私はその大きさなどの個体差を見極めて、最適なさばき方を採用しています。本来のシカ肉は臭みもクセも少ないものなので、新鮮なまま適切に捌くことで本来の味を保てるようにすれば、とてもおいしく頂けます。
私の技術とは、いうなれば、そのシカだけが持つ美味しさを引き出し、保つ助けをしているという事になると思います。
- 野生のお肉は衛生的に心配だという方もいらっしゃいますが?
-
野生のお肉は、多くの家畜のように成長剤や抗生物質を投与していないので、むしろ安心して食べられるのではないでしょうか。
解体場の衛生管理もばっちりなので、心置きなくシカ肉の美味しさを堪能していただければ嬉しいです。ただし、しっかり火を通して食べてくださいね。
湯川さんが教える「紀州シカ肉」のおいしい食べ方
販売者が一番おいしい食べ方を知っている!
販売者おすすめの「ロースト」「炭火焼」「もみじ鍋」での食べ方をご紹介します。
- ロースト低温調理で味わう上品な香りと締まった肉質
- 炭火焼おいしさも焼く楽しみも堪能できる
- もみじ鍋すき焼きに似た味 ぜひお試しを
「ロースト」
- 材料(4人前)
- ○和歌山県・湯川さんの「紀州シカ肉 シンタマ塊」…500g
- ○液体塩麹…大さじ6
- ○にんにく…1片
- ○オリーブオイル…大さじ1
- ○オリーブオイル(低温調理用)…大さじ1
- 【和風野菜ソース材料】
- ☆人参…4分の1本
- ☆りんご…2分の1個
- ☆玉ねぎ…4分の1個
- ☆蜂蜜…大さじ1
- ☆醤油…50cc
- ☆みりん…25cc
- ☆赤ワイン…25cc
- ☆にんにく(ローストの時に使ったにんにくを使用)…1片
- ☆生姜…1片
- 作り方
- 1:鹿シンタマ肉は250gずつの2等分にカットし、それぞれ液体塩麹を大さじ3ずつ全体にすり込み、ラップに包んで冷蔵庫に一晩寝かせておく。
- 2:オリーブオイル大さじ1とにんにく1片を中火にかけ、フライパンが温まったら強火でお肉の全ての面に焼き色をつけていきます。
- 3:焼き色がついたらお肉をジップロックに入れて、オリーブオイル大さじ1も入れてさっと馴染ませておきます。
空気をしっかり抜いてぴっちりしめておきます。 - 4:炊飯器にジップロックのお肉を入れ、沸騰直前のお湯をひたひたになるまで全体が浸かるように入れて、保温モードで90分、じっくり火を通していきます。
- 5:低温調理の間に和風ソースを作ります。
☆印の材料を全てフードプロセッサーにかけて滑らかになったらお肉を焼いたフライパンに入れて強めの弱火で20分くらい煮詰めます。 - 6:1時間経ったらお湯の温度が60℃以上あるか温度計で計り、お肉の中の温度が63℃から65℃になっていたらそのまま30分、又炊飯器の蓋を閉めておきます。
- 7:時間がたったらお肉を氷水を入れたボールに取り出し、余熱で火が通り過ぎないように一気に冷やします。
- 8:時間があれば冷蔵庫で1時間以上冷やします。
- 9:お肉を好きな厚さにカットしてソースをかけて出来上がり!
「シカ塊肉の炭火焼」
- 材料(2人前)
- ・【塊肉】和歌山県・湯川さんの「紀州シカ 内ももブロック」…500g
- ・塩…適量
- 作り方
- 1:冷凍肉はBBQ前日から冷蔵庫で解凍し始め、焼く30分ほど前にクーラーボックスなどから出し、常温に戻す。
※塊肉を冷たい状態で火にかけると、肉の内部に熱が通るより前に表面に火が入りすぎて、外側はぱさぱさ、内側は生焼けとなってしまうため。 - 2:お肉を常温に戻している間に、キッチンペーパーなどで水分をふき取り肉全体にまんべんなく塩を振ってなじませる。
※この時少し多いかなと思うくらいしっかり振ることがポイント! - 3:バーベキューコンロの片側に炭を寄せ、炭火が直接当たらないゾーンで加熱する。
1面につき8分ほど焼き、色が変わったら面を変えるようにして、表面を焼き固める。
※シカ肉は筋肉量が多いため、炭火を直接当てて高温で焼くとぱさぱさになってしまうのを防ぎます。 - 4:(3)の手順を繰り返すようにしながら、弱火で約2時間、じっくりと温めるようにして火を通す。
焼け具合は鉄串やフォークなどでお肉を刺して確認し、その鉄串やフォークを手の平に宛てた時、充分な熱さを感じられれば火が通っている。
なお、肉の内部温度を温度計で計りながら焼く場合は、63℃~65℃の状態で30分以上焼くこと。
「もみじ鍋」
- 材料(2人前)
- ・エゾシカ肉…バラ300g
- ・長ネギ…1本
- ・白菜…3分の1
- ・シイタケ…2個
- ・白滝…1パック
- ・焼き豆腐…1丁
- ・ケールか春菊…適量
- ・オリーブオイル…大さじ1
- 割り下
- ⚫︎お水…350ml
- ⚫︎お醤油…180ml
- ⚫︎きび糖…60g
- ⚫︎みりん…60ml
- ◾︎長芋…15cm
- ◾︎卵…2個
- 作り方
- 下準備:⚫を小鍋に入れて中火にかけ、沸騰するまでアクを取り沸騰したら火を止め、1時間〜1日冷蔵庫で寝かす。
- 1:長ネギは3cmの長さを目安にして斜め切りにしておく。
白菜は食べやすい大きさに切り、白滝は熱湯で30秒ほど下茹でし、焼き豆腐も切る。
長芋はすりおろし、卵は黄身と白身に分ける。 - 2:鉄鍋やスキレットにオリーブオイルを加え中火で温める。
- 3:割り下をおしゃもじ1杯加え、ふつふつとしてきたらお鍋に白菜、シイタケ、白滝、豆腐、シカ肉を入れ、蓋をしてしっかり火を通す。
- 4:ある程度煮えてきたら長ネギと、ケールまたは春菊を入れてサッと火を通す。
- 5:食べる時にすりおろした長芋に白身を入れて良く混ぜ、黄身を乗せ、すき焼きをつけながらいただく。
湯川さんの「紀州シカ肉」を食べた運営スタッフの声
クセはない絶妙なシカ肉
シカ肉はクセのないものなら食べられるけれども、そうなるとあまりに淡白なものになってしまうことがちょっと残念で、中間的なお肉がないかなと感じていました。紀州シカはクセや嫌な味が全然ないのに、シカらしい香り、味はあって、しかも強くない。「普通のお肉じゃない香りを感じてみたいけど、クセがあるのはいや」という方に、ぜひ食べて頂きたいです!(40代・女性)
簡単調理でも食べやすい
ジビエはお肉が固いことが多いイメージだったのですが、「紀州シカ肉」はやわらかい!嫌な臭みもないので、柔らかくするためにマヨネーズや塩麴に漬け込んだりという手間をかけなくても、充分美味しく頂けました。(20代・女性)
香りが立っておいしい
シカ肉はカレーに合うというので思い切って購入。まるで高品質のスパイスを使ったような甘い香りが立って、シカ肉の良さがとてもよく分かりました。ネギと一緒にシンプルに茹でてみたところ、これも味わい深い。臭みが全くなくなるので、ジビエが初めての方にもいいと思います。これからシカ肉に挑戦したいという人がいたら、「シカ肉は煮物で!」とおすすめしたいです(50代・男性)