【肉道大百科】山梨県・向山さんが育てる
「親鶏」特集
親鶏肉の出荷開始!
オーガニック農業を実践する山梨県甲斐市の向山さんの「親鶏」は、「硬くてうま味が史上最高に強い」玄人向けの鶏。
「柔らかい」至上主義の食肉業界にあって、唯一無二の味を堪能できます。
向山さんの「親鶏」は普通の鶏とここが違う!
向山さんの「親鶏」と、普通の鶏の違いは以下の通りです。
普通の「鶏」
- 卵を産む前の若鶏で、やわらかい肉質
- うま味はほどほどで、全体的に淡白な味わい(通常のブロイラー)
- コスト効率を追求した飼育方法で、鶏にも環境にも負荷がかかっている
向山さんの「親鶏」
- 卵を産んだ親鶏で、歯ごたえ満点な肉質
- うま味が強く、噛みしめるとどんどんしみ出す
- 「自然循環型農法」で、鶏にも環境にも負荷の少ない飼育法を実現
向山さんの「親鶏」のおいしさの特徴
1肉道イチの噛み応えを誇る鶏肉!

黒富士農場の鶏肉は全て産卵を経験した親鶏です。
卵を産む前の若鶏が飼育期間50日前後で出荷されているのに対し、親鶏は飼育期間が125日以上と長いため、運動量が多くうま味と噛み応えが増します。
噛み応えは肉道で販売している他の鶏肉の中で一番!この噛み応えが好評で、肉道の男性店員は「豪快にかぶりついて食べると、よりおいしく感じる」と絶賛していました。
柔らかくしてうま味を堪能したい方は煮込み料理にするのがおすすめです。煮崩れしにくいので、鶏肉の存在感をしっかりそのまま楽しめます!
2鶏の味が強く、力強さを感じる

向山さんの育てる親鶏は「鶏肉の味」だけで最後まで食べられてしまうほどの味の濃さ!
この鶏肉をひとかけら食べただけでも、まるで骨付きもも肉にかぶりついた時のような鶏の濃厚な味わいが一気に口の中に広がります。
スーパーの鶏肉などで時々感じるもたっとしたような臭みもなく、感じるのは「純粋な鶏肉のうま味」です。ここまでうま味が力強い鶏肉は他になく、まさに唯一無二の味わい。
細かく切って料理に具材として加えても、親鶏が持つ歯ごたえと力強い味わいが良いアクセントになります!
3脂がのった鶏皮が、
料理にコクをもたらす

黒富士農場では広い鶏舎や野外を自由に動き回れる「平飼い・放牧飼育」を行っているので、鶏たちはよく動いて身が引き締まり、鶏皮に凝縮したうま味と脂がしっかりのります。そのため、「鶏の皮のうま味」を一番に楽しみたい方には向山さんの親鶏がとってもおすすめです。
また、黒富士農場の鶏皮は料理の材料にしても格別で、スープや煮物といった料理にすると濃厚なうま味が具材と絡まり、上品なコクが加わって最高です!
向山さんの「親鶏」のおいしさの理由・こだわり
1「有機」と「non-GMO」にこだわった
餌を与えている

向山さんの黒富士農場は非常に厳しい認定基準をクリアし、日本初の「採卵鶏での有機JAS認証」を取得していてます。
鶏の餌は「有機飼料」と「nonーGMOのエコフィード」を9:1の割合で与えるようにし、トウモロコシと大豆は有機JAS認証を受けたもののみを使用。加えて、おから、米ぬか、海藻等々の厳選したエコフィードはnonーGMOのもののみを使用し、遺伝子組替え飼料は排除しています。
こだわりの有機飼料を食べることで、鶏たちは腸内環境を整え、薬剤を使用せずとも健康に育っていきます。
こうした有機にこだわる取り組みが評価され、2014年には「日本農業賞大賞」「内閣総理大臣賞」を受賞しました。
2養鶏場と自然が「共存」する
自然循環型農法

周囲を手つかずの自然に囲まれ、日々その恩恵を受けている黒富士農場では、この自然環境を壊さず「共存」していく為にBMW技術を用いた「自然循環型農法」を導入しています。
BMWとは、B=バクテリア、M=ミネラル、W=ウォーターの略で、微生物がもつ自然浄化作用をもとにした農法です。岩石、腐葉土、水の力を利用し、農場内の微生物を活性化して作った「BM活性堆肥」を土代わりに鶏舎内の床下に敷いているので、鶏の糞は分解され、悪臭・虫が発生せず、黒富士農場は養鶏場の特有の臭いがほとんどありません。
また、BM活性堆肥は農場内の牧草を育てることにも役立っています。鶏舎内外の衛生環境が清潔に保たれているため鶏は病気になりにくく、健康的においしく育っていきます。
3平飼い・放牧飼育で心身共に
健康な鶏に育つ

「平飼い・放牧飼育」において鶏舎は「鶏たちの自宅」のような役割を持ち、鶏たちは自由に鶏舎と野外を行き来できます。
自然の本能を妨げないこの養鶏スタイルは鶏を健やかに育てるうえでは非常に有効ですが、コストがかかることもあり、昨今の日本では1~4%以下の農家でしか行われていません。さらに「有機飼料」を用いた養鶏となると、0.1%未満とより少なくなります。
向山さんは、「動物福祉」の観点と「健康な鶏がおいしい鶏となる」との考えから鶏の心身の健康を保つ育成法を模索し、たどり着いたのがこの平飼い・放牧飼育と有機飼料を組み合わせた希少な養鶏スタイルです。
生産者に一問一答!こだわりを聞いてみた
向山 一輝さんに聞きました!

山梨県・甲斐市にある、日本初の採卵鶏で有機認証を取得した黒富士牧場。「有機」にこだわり、鶏の心身の健康を考えた養鶏を行っています。
- なぜ親鶏はあまりスーパーなどで出回っていないのですか?
- アニマルウェルフェアについてのお考えを教えてください。
-
私たちは「アニマルウェルフェア」の実践を通じて、おいしいだけではなく、エシカルな鶏肉の消費を実現していきたいと思っています。
こういった取り組みに関して日本は遅れていて、例えばゲージ飼いはEUなどの畜産先進国では廃止されてきていますが、日本ではいまだに95%の農家で行われています。窓もなく、日も風も入らない環境は、鶏にとって良い環境とは言えません。「実際にそこで暮らしてみなさいよ」と言いたいほどです。
私たちはこうした日本の畜産の現状を変えていく為、鶏の自由、幸せを尊重した現在の「平飼い・放牧飼育」に取り組み、良い成功例を作っていかなければならないと考えています。
親鶏は硬くて食べにくい、として一般的にあまり需要がないからです。飼育数も少なく、お店では若鶏が主流のため口にする機会があまりないのが現状です。
食べ慣れていない方は親鶏を「ただの硬い肉」と思ってしまうこともあるので、私達生産者はもっと「親鶏ならではの良さ」を伝え、知ってもらいたいと考えています。
親鶏のもつこの歯応え(硬さ)とうま味の強さがクセになる方も多く、「親鶏でなきゃ鶏肉じゃない!」とまで言ってくれる方もいらっしゃるので、生産者としても嬉しい限りです。
向山さんが教える「親鶏」の一番おいしい食べ方
生産者が一番美味しい食べ方を知っている!
生産者おすすめの「ローストチキン」「煮込み」「参鶏湯」での食べ方をご紹介します。
- ローストチキン歯応え、食べ応えがすごい!
- 煮込み強いうま味が最高に活きる
- 参鶏湯他の鶏とは段違いの濃いスープがとれます
「ローストチキン」

- 材料(2人前)
- 【具材】
- ・鶏肉(もも)…2本
- 【タレ】
- ・醤油…80ml
- ・酒…10ml
- ・みりん…10ml
- ・砂糖…大さじ1
- ・はちみつ…大さじ1
- ・すりおろししょうが…小さじ1/2
- ・すりおろしにんにく…小さじ1
- 作り方
- 1:鶏肉を調理の20分前に冷蔵庫から取り出し常温に戻しておく
- 2:余分な皮を取り除き、内側は骨にそって切り込みを入れる
- 3:タレの材料を一緒に入れてまぜ、鶏肉を入れてよく揉んだら冷蔵庫で2日味をしみ込ませる。少なくとも1日は冷蔵庫で寝かせて味をしみ込ませるのがポイントで
- 4:160℃の低温に設定したノンフライヤーでじっくりと鶏肉を焼く
- 5:途中2~3回ほど、鶏肉にハケでタレを塗り、照りとツヤが出たら完成
「煮込み」

- 材料(2人前)
- ・地どり(むね)…300g
- ・酒…大さじ1
- ・鶏がらスープの素…小さじ1と1/2
- ・長ネギ…1/2本
- ・お好みのタレ…適量
- 作り方
- 1:地どりは調理の20分前くらいに冷蔵庫から出して室温に戻しておく
- 2:むね肉に切れ目を入れて開かせたら、両面にフォークなど数か所刺す
- 3:ポリ袋にむね肉、半量の鶏ガラスープの素を入れよく揉んだら酒・残りの鶏ガラスープの素を入れ、再度揉む
- 4:鍋で水を沸騰させ、そこに揉みこんだむね肉を入れ落し蓋をして中火~弱火の間で3分ほど煮込む
- 5:肉を裏返してさらに弱火で2分ほど煮込んだら鍋から取り出し、食べやすい大きさにカットする
5:細く切った長ネギを散らして完成
「参鶏湯」

- 材料(2人前)
- ・地どり(手羽先・手羽元)…240g
- ・じゃがいも…2~3個
- ・水…1リットル
- ・酒…50cc
- ・みりん…50cc
- ・しょうゆ…80cc
- ・砂糖…大さじ3
- ・しょうが…1かけ
- ・油…適量
- 作り方
- 1:地どりは調理の20分前くらいに冷蔵庫から出して室温に戻しておく
- 2:じゃがいもをお好みの大きさにカットする
- 3:手羽を軽く水洗いし水気を取ったら、油を引いたフライパンで軽く焼き目をつける
- 4:3に具材・水・調味料をすべて入れ20~30分煮込み、灰汁が出てきたら都度取る
- 5:手羽と具材に十分火が通り味が染みていたら完成
向山さんの「親鶏」を食べた運営スタッフの声
硬め派は焼きがおすすめ
食べ応えをしっかり感じたいと思い、ハーブソルトをまぶしてシンプルにグリルで食べました。
しっかり顎を使って食べる!という感覚で、噛み心地は自分好みでした。味わいもしっかり鶏肉のうま味も凝縮されていて、噛むごとに肉から溢れてくるようでした。(40代・男性)
ホロホロ派は煮込み!
鶏肉の本体部分を参鶏湯、もも部分を照り焼きチキン、手羽先部分をからあげにして食べました。
調理法によって鶏肉の食べやすさが大きく変わり、参鶏湯はホロホロと肉がほぐれて食べやすくておいしかったです。照り焼きチキンとからあげは肉の強い歯ごたえが残って飲み込むまで大変だったので、ホロホロ派の人は煮込むのが良いと思いました。(30代・女性)
さらに鶏肉の出汁でコクをプラス
もも肉1本まるまるスープカレーの具材にしました。
骨付き肉が1本丸ごと入って見た目のインパクトもばっちり。しっかり煮込んだので肉も簡単にほぐれて、食べやすかったです。スープカレーにも鶏肉の出汁が染みていてコクがありました!(20代・女性)